みつどもえ

TVアニメ『みつどもえ』スペシャルインタビュー
監督・シリーズ構成・キャラクターデザインに聞け!

太田雅彦
「みつどもえ」監督。その他の代表作は「みなみけ(第1期)」監督。「舞-HiME」「苺ましまろ」演出など

あおしまたかし
「みつどもえ」シリーズ構成。その他の代表作は「みなみけ(第1期)」シリーズ構成。「けんぷファー」「今日の5の2」脚本など

大隈孝晴
「みつどもえ」キャラクターデザイン。その他の代表作は「まかでみ・WAっしょい!」「花右京メイド隊」キャラクターデザインなど

―――アニメーション制作のお話は、いつごろ聞いたのでしょうか?

太田
2009年の1月末位に、アニプレックスの鳥羽プロデューサーから、直接お誘いの電話を頂きました。なんでも、「みなみけ(1期)」を評価してくださったみたいで、その流れでお話を頂いた感じですね。そして、そういう事ならあおしまさんもセットだな、といった具合で、参加していただくことになりました。 ただ、大隈さんとは、がっつり仕事をしたことはじつは無かったんですね。
大隈
一緒に作品を手がけたことは無かったですね。太田監督が「みなみけ(1期)」を手がけているときも、並行して制作していた別の作品に関わっていたので。
あおしま
まぁ、そのときの脚本家は僕だったりするんですけどね(笑)。
太田
あおしまさんと大隈さんは他の作品でも一緒になることが多かったんですよ。

―――ちなみに、もともと原作は知ってましたか?

太田
チャンピオンに、ああいう可愛らしい絵の漫画があるということだけ知っていました。なので初めて読んだとき「あ、あれだ。」と思いましたね。まさか「三姉妹」ものだとは思いませんでしたけど(笑)。
また、内容が内容なので、「果たして放送できるのか?」という部分は気になりました。ただ、原作よりも表現をソフトにして、アニメ化して欲しいと言われるのであれば、実は、このお話は、お断りしようと思っていました。それは、原作ファンの方々に失礼になってしまうので。
でも、プロデューサーの鳥羽さんからは「そこは、限界に挑戦しましょう!」と言って頂いたので、それで意気投合しましたね。
あおしま
僕も読んだことは無かったのですが、いつも見るサイトが「みつどもえ」のレビューをしていたので、勝手に読んだ気になっていました(笑)。
絵は可愛いのに、お話の内容は、突き抜けたことをやっているなぁという印象ですね。
大隈
自分は普段から漫画を全く読まないので、監督からお話を頂いたときに初めて読ませてもらいました。

―――制作する上で、気をつけている点などはございますか?

太田
やはり、アニメの「動く利点」というものがあると思うので、原作よりもオーバーにやるところは、開き直ってやりたいという気持ちはあります。
ただ、もちろんそれは、原作の内容を変えるというのではなくて、アニメ化するからには、アニメの特性を生かして膨らませたいということですね。
あおしま
脚本としては、原作のストーリーは変えるつもりはまったくありません。ただ、原作が省略している部分とか、コマとコマの間にありそうなものは、描いていきたいですね。あと、監督が言ったとおり、ひどくするところはひどくしていきたいと思ってます。
それと、原作の量が膨大なので、どのエピソードをアニメ化しようかと言うのは悩ましい部分ですね。
太田
どのエピソードも面白いので、とても選びにくいんですよね。打ち合わせをしていても、それぞれ好きなエピソードが異なるので、かなり困りましたね(笑)。

―――キャラクターデザインに関してはいかがでしょうか?

大隈
原作者の桜井先生の絵が、巻が進むにつれて、どんどん進化していくので、そのなかで、キャラクターのどの部分を拾うかということが一番重要だと思っています。
キャラクターデザインに関していえば、6~7巻の絵柄を参考にしています。ただ、難しいのは、1巻の頃の絵柄だから成立しているギャグなどもあるので、1巻の頃の表情の修正を入れながら作業をしている感じですね。
あと、キャラクターの服装に関しては、原作同様、毎回変えたいと思っています。そこは原作の絵の部分に対するこだわりだと思いますので、アニメでも再現したいですね。

―――各キャラクターに関してお伺いできればと思います。

【丸井みつば】

あおしま
一言で言ったら「雌豚」なんでしょうけど…(笑)。それでも、なんだかんだでふとした時に出る「お姉さんらしさ」を見ると、本当はいい子なんだと思いますね。
太田
みつばは、サドだし、征服欲が強かったり、「これで何人目の奴隷よ」とか勝手に言ってるんですけど、実は誰も奴隷になっていない(笑)。
そうは言っても、わがまま一直線ではなく、意外と妹思いな部分や、常識的な部分も持っていたりして、そこら辺のギャップが可愛いんじゃないでしょうかね?
大隈
絵的な部分で言えば、お腹のぽってり感やぷにぷに感を、ちゃんと表現できればいいかなと思ってます。

【丸井ふたば】

太田
ふたばは一番シンプルなキャラクターですね。三姉妹の中ではストレートにいい子だと思います。ただ、怪力過ぎて、それが制御できないという問題があったり、あと少し空気が読めないところがありますね(笑)。
ある意味、常識はずれで規格はずれなボケキャラといえばボケキャラなのですが、結局は素直な子というところでしょうか。
大隈
自分の中の印象では、一番アニメ的なキャラクターですね。服装からしても、現実にはいないですよね。
太田
他のキャラクターとは違って、ふたばは服装が全然変わらないから、助かっています(笑)。

【丸井ひとは】

太田
ひとはは…色々問題がありますね……(笑)。彼女はいつもエロ本を持ち歩いているので、原作では見えないように描いている部分も、アニメでは動きがあるので、見えざるを得ない事があります。そこをどのように表現するか、悩んだりしましたね。
ただ、ひとはは、お話しが進むにつれて、周りにどんどん心を開いていくので、そこは見てくださる方にも楽しんで頂ける部分だと思います。
あおしま
一番成長が分かりやすいキャラではありますよね。だんだん矢部と仲良くなっていきますし。何気になついているように思いますね。小さい子になつかれるのが好きな大きいお友達の皆様は、そこら辺を可愛いと思っていただければ幸いです(笑)。
大隈
でも矢部は小学生相手に恋愛感情を持つなんてことにはならないんですかね?
太田
ならないでしょうね(笑)。

【矢部智】

太田
矢部は、いじめ甲斐があるキャラクターなので、非常に扱いやすいキャラクターですね。いくらドタバタさせてもいいですし、いくら狼狽させても大丈夫。もう、とことんヘタレなので、面白いですね。みんなが共感できるというか、笑えるキャラクターだと思います。
あと、学校での三姉妹の保護者的な役割もあります。何も抑えることができないのが情けないところではあるのですが、それも面白いと思いますね。

―――最後に、TVアニメ「みつどもえ」を楽しみにしている方々へメッセージをお願いします。

太田
原作を大切にして、やばいネタからは逃げずにいこうと思いますので、よろしくお願いいたします。
あおしま
原作ファンの方々の期待を裏切らないような作品になってますので、どうか見てください。
大隈
スタッフ一丸となって頑張ってやっておりますので、楽しく見ていただければいいかなと思います。
太田
気楽に見ていただけるとうれしいです(笑)。
大隈
おおらかな心で見てください(笑)。

―――ありがとうございました!

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© 桜井のりお/週刊少年チャンピオン
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